2019 Challenge Hike & Fly

2019年大会の様子

チャレンジハイク&フライ2019レポート

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チャレンジハイク&フライってなんだ?

今年で3回目の開催となる「チャレンジハイク&フライ」、今年は昨年より1週遅く、紅葉真っ盛りのHAKUBA VALLEYを会場に開催されました。このイベント、パラグライダーの大会としては大変な盛り上がりとなっています。それは現地にお越し下さった方たちが一番体感したのではないかと思います。日本ではハイク&フライダウンできる環境は多くあるものの、エリアをつないでフライトできる場所はなかなかありません。この種の大会の面白さはフライトでの一発逆転にありますが、ここHAKUBAVALLEYではショートタスクながらそれが可能です。今回はあまりフライト条件には恵まれませんでしたが、それでもフライトによる逆転劇が多く見られました。 盛り上がりと言えば、今回も全国から選手の応援にかけつけたスクールが7校(丹波、COO、立山、TAK、浜名湖、MAPS、バーズ)、そして観戦&フリーフライトに訪れてくれたパイロットの方たちと・・・100名以上の方たちが集まりました。ルートが決まっているので、選手を間近で観戦そして応援がすることができるというのが魅力でもあります。 観戦の魅力で言えば、競技の順位がゴールした順と至ってシンプルということもあります。シリンダー通過の判定はあるものの、基本的には順位は紅白のゴールラインをカットした順となります。 そしてこの大会を盛り上げているもうひとつの要因は、事前の選手たちの「頑張り」です。今回も多くの選手がホームエリアでの調整はもちろんのこと、事前に大会会場を調査、そして機材の準備と・・・一つの大会に賭ける思いは大変なものです。それに応えてくれるかのようにスクール、フライト仲間、大会主催者が色々と協力や準備を手伝ってくれ、様々な相乗効果となっています。一人一人の「思い」の強さこそがこの大会が盛り上がっているもっとも大きな要因です。 そんなたくさんの魅力いっぱいのイベント、果たして今回はどうだったでしょうか。

10月19日(土)

天気予報では終日、雨時々くもり。主催者では何度も検討を重ねた結果、今日のタスクを「スタート→自然園」のハイクアップのみと変更(20km,40kmクラスとも)。高度差800mほどですが、水平距離も長く、急登、舗装路、砂利道と変化に富んだコースとなります。 10時、栂池パラグライダースクール前に設置された真っ赤なスタートゲートから選手は一斉にスタート。ちょうど、そのころから雨は小降りに。カッパやポンチョを着る選手も多くいましたが、この選択がのちに・・・。 2019photo2019photo スタートを切った49名の選手はまずはハンの木テイクオフに向かってゲレンデを直登します。スタートダッシュにつられ、出足にペースを乱された選手も多かったようですが、スタート直後、無理は禁物です。初めにオーバーペースとなってしまった選手はリズムを取り戻すまでにだいぶ時間がかかってしまったようです。レースは、自力に勝る小熊(COO)、ルーキーの杉山(丹那)、コレソフ(ヤマザキ)、印南(チーム印南)が引っ張ります。30分もしないうちに雨は上がり、気温も上昇・・防水装備の選手を苦しめます。先頭集団は脱いでいる時間もなく先を急ぎます。 2019photo2019photo そんななか、時折日も差し、ガスの向こうに見える紅葉が選手の気持ちを和ませてくれます。自分のペースで、標高ごとに移り変わる景色をみながらハイクするのもこのレースの楽しみの一つです。今回は初参加の方も多く、白馬の雄大な自然を見ながらのレースを楽しみにされていた方も多いようです。 2019photo2019photo レースは昨年以上のハイペース。2,3年と連続参加されている選手は前回以上のトレーニングをされてきたのがうかがえます。また、途中、道を間違える選手もいましたが、ほかの選手が道を教えてくれたり、スポーツマンシップな光景が多くみられました。ともに苦しんでいるので、対戦相手である以上に仲間意識が芽生えるのがこのハイク&フライレースの素晴らしさでもあります。さらに、途中途中で応援してくださっている皆さんとの交流もこのレースならでは・・。人と人のつながり、やっぱりこのレース最高です。 レースは中盤で、コレソフがついに小熊を抜き去りトップに。そのまま順位は変わることなくフィニッシュ。コレソフのタイムは1時間3分36秒。3番手を走り続けていた杉山はゴンドラ駅通過後にコースミス。その間に岡田(富士見)が抜き、3位でフィニッシュ。1時間20分以内に10名の選手がゴール、首位争いは明日の「飛び」次第となりそうです。 2019photo その後も合間なく選手は自然園ゴールへ。最後、ロープウェイの白い駅舎が見えてくると自然と選手も安どの表情に。ゴールでは多くのサポーターの声援と拍手が選手を出迎えてくれます。女子ではルーキーの山本(マップス)が笑顔のトップゴール。ゴールでは「道間違えた~」「最初飛ばしすぎた~」「雨具暑かったねー」といった楽し気な会話が交わされていました。決められた時間内に多くの選手がゴール。帰りのロープウェイに乗るころには再び本降りの雨に。結果的には一番いい時間帯にレースを行うことができました。悪天候のなか、スタッフ、サポーターのみなさまのありがとうございました。 2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo

ウェルカムパーティー

ウェルカムパーティー会場の「雪の広場・YETI」は立錐の余地のないほど、多くの選手、サポーター、関係各位のみなさまで埋め尽くされました。パーティーに先立って小谷村村長・中村義明氏、栂池高原観光協会・深澤昇氏からご挨拶いただきました。そして白馬 観光開発(株)栂池営業本部総支配人・山岸信也氏の乾杯の音頭とともにパーティースタート。2か所に設置されたビュッフェコーナー、ドリンクコーナーはあっというまに長蛇の列。今日の疲れが十分に癒されるほどの食事と飲み物が用意されました。しばし歓談ののちに、今日の結果発表。そして全選手の紹介が行われました。各選手、今日の感想と明日への意気込み・・大いに語っていただきました。 歓談中には、さっそく撮影されたビデオや写真も放映され、今日の頑張りに思いをはせました。 パーティーの最後には、協賛各社のみなさから頂いたたくさんの景品争奪の抽選会。小谷村の宿泊補助券や、白馬乗鞍温泉スキー場のスキーリフト券などもご協賛いただきました。ぜひ、冬のHAKUBAVALLEYもお楽しみください。 パーティーは非常に盛り上がりましたが、明日のレースもあるので食べすぎ飲みすぎないうちに終了しました。たくさんのおもてなしありがとうございました。 2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo

10月20日(日)

2日目、お天気は回復傾向(予報では・)。しかし、期待とは裏腹に、栂池高原の朝は霧雨の空模様でした。主催者は今日も検討を重ねました。どうやら、回復は午後に入る見込みで、朝方は期待できません。制限時間、フライト可能なレース展開を想定・・結果、スタート時刻を遅らせ、最初のハンの木レグをカットすることにしました。やや強い、湿った北風が吹き続ける中、スタート時刻を迎えます。スタート前には、チーム毎に写真撮影等も行いました。 2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo 10時・雨こそ止みましたが気温が低い中、選手は一斉にスタート。ランディングポイントのターゲットを通過して、白馬乗鞍スキー場を目指します。コースミスを起こさない様、若栗ランディングポイントまでのファーストレグ要所には、スタッフを配置しました。 選手を見送った後、撮影担当の広瀬さんとスカイビューテイクオフポイントへ向けて出発。栂池から白馬乗鞍スキー場へ向かう路上には点々と列をなして選手が進んでいます。トップ集団は、既に若栗サインボードも通過していました。「トップが到着する前に・・」急ぎ、コルチナスキー場内の道を進みますが、スカイビュー到着直前に業務無線機から「トップの選手が到着しました。」のコール。速い!到着するや、小熊選手以下、トップ3がハイクダウン開始。未だ、山頂は雲の中でした。 2019photo2019photo その後、本部からは「リフト降り場が見えてきた」との連絡も入り、スカイビュー周辺のガスは晴れるのか?「選手は飛びたいよね、何とかして飛んでほしいね。」スタッフも期待が高まります。 そのジレンマを解決してくれる地元選手がやってきました。山麓のホテルが見えたり隠れたり、飛行可能な状態に移行しつつある中、地元白馬乗鞍・大西選手がフライト準備に掛かります。そして、テイクオフ!トップは既にメインランディングポイントを通過し、ハンの木テイクオフポイントへ向かっている中、栂池を目指して地上をひた走る選手を上空からパス。ハイク&フライレースならではの逆転劇が始まりました。 2019photo2019photo その後は、フライトを決断する選手が次々と準備に掛かりました。しかし、テイクオフポイントの風は北西よりの難しい風向。例年の如く、スカイビューのテイクオフは一筋縄にはいきません。怪我こそ無かったものの、難儀する選手が多く見受けられました。 フライト後、選手は丸山メインランディングポイントや、チャンピオンゲレンデに着地してハンの木テイクオフポイントへ向けてのハイクアップ、追走開始です。 13時過ぎには雲も疎らとなり、日差しも見え始めました。慌てずタイミングを計る方、コーヒーで寛ぎマイペースの方・・でも、飛び立つ際には素早い決断が必要です。最後に残った小名木選手も離陸場所の選択に悩んでいました。「走れる南斜面か、風が吹き込む北斜面か・・」最終的に北斜面を選択し、テイクオフ!スタッフからは大きな歓声が上がりました!スタッフは片付け、急いで本部へリターンです。 2019photo2019photo2019photo2019photo ハンの木テイクオフポイントでも、なかなか雲は上がりませんでした。トップグループの選手達は到着するや、ゴールに向けてハイクダウン。全コースを走り切る展開となりました。 トップは2時間3分1秒で小熊選手(COO)、2位は杉山選手(丹那)、3位はコレソフ選手(ヤマザキ)・・素晴らしいスピードで全コースを走り切ってゴールに駆け込みました。 2日間トータルでは、1位小熊選手、2位コレソフ選手、3位杉山選手、4位岡田選手、5位印南選手、6位扇澤選手・・ルーキー杉山選手はハイク&フライレース実力者の仲間入りを果たしました。 2019photo 中盤以降、ハンの木でもフライト出来るシチュエーションとなってきました。先行する選手を頭上からまくってゴールに到達。ゴール直前で追い越された選手の口惜しさといったら・・これも、ハイク&フライレース。 2019photo2019photo 2日目はフライトの可能性があった中、順位の中にもその結果が少なからず反映されたレースとなりました。もし、サーマル(上昇気流)の発生があったなら・・ また、2日間を通して1本も飛んでいない選手も多く、登山のタイムアタック的な要素もありました。ペース配分のミスで、体調の良さ故に無理をしてしまった方もいた様です。 完走を果たした選手の皆さん、おめでとうございます!完走を逃した選手もお疲れ様でした。次回大会でもエントリーして頂き、レース完走達成!を期待しています。 最後に、2日間の素晴しいレースが無事に成立しました事、感謝致します。ありがとうございました。 2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo2019photo

表彰式、閉会式

2日間のレースを終え、表彰式。40kmクラス優勝は2日目に逆転勝利の小熊選手。そして女子では見事なハイクで初参加の山本選手がトップ、総合でも19位につけました。20kmクラスでは若手の井出選手が優勝しました。みなさま、おめでとうございます。 2019photo
40kmクラス総合
優勝小熊 健
(エアパークCOO)
準優勝Alexander Kolesov
(エリアヤマザキ)
第3位杉山 晋一
(イクス)
第4位岡田 直久
(JMB富士見パノラマ)
第5位印南 学
(チーム印南)
第6位扇澤 郁
(チームアエロタクト)
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40kmクラス女子の部
優勝山本 理恵子
(MAPS)
準優勝橋本 みさ紀
(フリー)
第3位横堀 紀子
(エアパークCOO)
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20kmクラス総合
優勝井出 大貴
(ジャムスポーツ)(MAPS)
準優勝奥埜 祥弘
(今井浜)
2019photo 関沢競技委員長あいさつ 2019photo 熱血!後藤実行委員長
ご苦労様でした!素晴らしい大会ありがとうございました。

終わりに・・・

このレース、順位を求めることもそうですが、それ以上に完走することが多くの選手の目標です。スタート前には途方もなく長く感じる距離と高度差・・・今年はフライトできない時間帯が多くさらにその負担が選手の肩にのしかかりました。ただ、そんな不安をかかえながら進み続けるからこそゴールした時の思いは格別です。そしてそんな思いを多くの人たちと共有できるのが、このレースの素晴らしさと言えます。 ゴールした選手を見ながら、来年の出場を心に決めた方も多くいらっしゃるようです。このような素晴らしい舞台を用意してくださいました熱血・後藤実行委員長ほか関係各社(者)のみなさまにこの場を借りて御礼申し上げます。ありがとうございました。 2019photo 成績表PDFダウンロード 2019photo
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